散歩が苦手なはずの彼が、散歩好きに私を散歩に誘ってくれた
私は散歩が大好きです。
暇な時間があり、天気がよければ、いつでも散歩に出かけたい気分になります。
1人で行くことも好きですし、親しい人と行くことも好きです。
最近は、同居している彼と一緒に行く散歩が一番楽しく感じられます。
散歩の行き先は、どこでも構いません。
自宅近所のスーパーマーケットの時もあれば、ちょっと足をのばして、大きな川が見渡せる川辺に行く時もあります。
でも、残念なことに、私とは違って、彼は散歩に行くことが滅多にありません。
以前は、よく散歩に出かけていたのですが、今ではすっかり自宅で過ごすことが多くなりました。
そのきっかけを作ってしまったのは、ある意味、私かもしれません。
そのきっかけとは、片道1時間もかかる場所へと散歩に連れ出してしまったことです。
自宅を出る前は、片道1時間の散歩とは考えていませんでした。
ただ、目的地は決まっていて、公共の交通機関を使わずに行ってみようと話していたのです。
そして、実際目的に向かって歩いていると、上り坂があったり、道が整備されていなかったり、散歩するにはあまりいいルートではありませんでした。
また、その目的地に行くのがその時が初めてであったため、道を調べながら歩いていました。
そのため、普段のように歩いている以上に、目的に着くまでの過程で彼は疲れ切ってしまったのです。
目的地に無事につけたことは、私も彼も喜んでいましたが、それと同時に疲れを忘れることはありませんでした。
結局、自宅への帰り道はタクシーを使いました。
自宅に着くなり、彼は紅茶を飲んで、ベットへ直行して、横になっていました。
その姿を見ていると、よほど疲れていたことが分かりました。
その時を境にして、彼は散歩に誘っても、自宅で過ごすことを選ぶことが多くなりました。
そして、私は一人で散歩に行くことが多くなりました。
でも、誕生日の日だけは、違っていました。
散歩にあまり行くことがなかった彼から、私を散歩に誘ってくれたのです。
私はとても驚きました。同時に、とても嬉しくなりました。
散歩好きな私のことを考えて、散歩が苦手なのに、誘ってくれたのです。
そういうふうに思うと、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。